2つの薬理作用

清肺湯はなぜ効くの?

16種類の生薬を配合している清肺湯は、呼吸器に関わる病気を改善する漢方薬として伝えられており、近年、そのメカニズムが明らかになってきました。清肺湯は、粘る痰を切りやすくする「去痰作用」と、気道の炎症をおさえる「抗炎症作用」のダブル作用で、その効能を発揮すると考えられています。

去痰作用

気道粘液の分泌促進で痰や汚れをはがしやすく、線毛の動きを活発にして、痰や汚れを排出

気管支や細気管支内に付着した、しつこい痰やタバコの成分などをはがしやすくするのが、肺サーファクタントと呼ばれる気道液です。清肺湯には、この気道液の分泌を促す働きや、気管支にある線毛の動きを活性化すると考えられています。線毛運動が活発化し気道が潤うことで、気道内にこびりついた汚れが喉の方へと移動し、痰を出しやくするとされています。

清肺湯による改善イメージ

抗炎症作用

気道の慢性的な炎症をやわらげ、ダメージを受けた粘膜を改善

タバコの煙などの刺激を受け続けた気管支が、慢性的な炎症を起こし、空気の通り道である気道が狭くなることがあります。
禁煙しても、呼吸の苦しさや咳・痰などの症状が治まらないのはそのためです。
清肺湯には、気管支の炎症を鎮め、呼吸を楽にする作用があると考えられています。

肺サーファクタントとは

サーファクタントと表面張力

肺胞から分泌される肺表面活性物質のこと。
ひとつひとつの肺胞の表面を覆い、表面張力を弱めることで肺胞を膨らみやすくし、呼吸やガス交換を手助けします。
シャボン玉が空気の量によって大きくなったり小さくなったりするのと同じです。
痰や気道粘膜の潤滑油の役割も担うため、分泌量が低下すると痰が粘り気を帯び、線毛の運動に支障をきたしやすくなります。
清肺湯は、その作用から肺サーファクタントの分泌を促すと考えられています。

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清肺湯について

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