肺は、さまざまな器官が集まっている人体の要所です。肺は心臓の両側に1個ずつ存在します。肺には、肺胞道、肺胞囊、肺胞が含まれます。
肺胞では、膜と毛細血管の壁を通して、呼吸による二酸化炭素と酸素の交換(ガス交換)が行われています。息を吸えば、酸素は毛細血管を通じて体内に運ばれ、息を吐けば、二酸化炭素が出されます。
このようなガス交換は、濃度の高低によって物質が移動する「拡散」と呼ばれる現象によってなされています。
つまり、酸素は、濃度の高い肺胞から濃度の低い毛細血管へ移動し、二酸化炭素は濃度の高い毛細血管から濃度の低い肺胞へと自然に移動しているのです。
肺の中央や肺門には、気管支や肺動脈・肺静脈、リンパ管などが出入りし、左右の肺の間の真ん中には、心臓や気管支、食道、大動脈・大静脈、神経など重要な器官と繋がっているため、もし肺に異変が起これば、それら諸器官を通して、健康にまで甚大な影響を及ぼす場合があります。例えば、肺気腫という病気は、悪化すると肺全体が膨らんで心臓を圧迫し、心疾患にもつながりかねません。
そして、このような肺の病気の原因のひとつとされるのが喫煙です。タバコは呼吸器の大敵なのです。