肺の構造・機能

諸器官が集まる肺の構造と呼吸機能

肺は、さまざまな器官が集まっている人体の要所です。肺は心臓の両側に1個ずつ存在します。肺には、肺胞道、肺胞囊、肺胞が含まれます。

肺の構造

1. 肺胞道

細気管支1本から、数本の肺胞道が分岐しています。肺胞道の先端は袋状になっており、袋状の部分に数個の小部屋のような構造物があります。この袋状の部分が肺胞嚢であり、小部屋の部分が肺胞です。

2. 肺胞

肺胞は直径約300μm(1μmは0.001o)で、約3億個存在し、肺胞を広げた総表面積は約70uに達すると言われています。肺胞壁は、主にI型(ガス交換を行う)とII型(肺胞表面を滑らかにする物質を分泌する)の肺胞上皮細胞で覆われています。

呼吸をするときの肺の仕組み

生命を維持するために欠かせないガス交換

肺胞がガス交換する仕組み

肺胞では、膜と毛細血管の壁を通して、呼吸による二酸化炭素と酸素の交換(ガス交換)が行われています。息を吸えば、酸素は毛細血管を通じて体内に運ばれ、息を吐けば、二酸化炭素が出されます。

このようなガス交換は、濃度の高低によって物質が移動する「拡散」と呼ばれる現象によってなされています。

つまり、酸素は、濃度の高い肺胞から濃度の低い毛細血管へ移動し、二酸化炭素は濃度の高い毛細血管から濃度の低い肺胞へと自然に移動しているのです。

肺の異変はさまざまな器官に重大な影響を与えます

タバコの煙は呼吸器の大敵に

肺の中央や肺門には、気管支や肺動脈・肺静脈、リンパ管などが出入りし、左右の肺の間の真ん中には、心臓や気管支、食道、大動脈・大静脈、神経など重要な器官と繋がっているため、もし肺に異変が起これば、それら諸器官を通して、健康にまで甚大な影響を及ぼす場合があります。例えば、肺気腫という病気は、悪化すると肺全体が膨らんで心臓を圧迫し、心疾患にもつながりかねません。
そして、このような肺の病気の原因のひとつとされるのが喫煙です。タバコは呼吸器の大敵なのです。

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